作品番号 1 |
放課後ミルクティー |
何か匂いがする。鼻の奥を突くツンとした化学的な匂い。だが、それだけではない。 ……この匂いは? そうだ、牛乳……いや、ミルクの匂いというのが正しいのかな。 「良かった、気がついたのね」 いつの間にか僕の視界が開けていた。 ベッドの上の僕。目の前に見える白衣姿の女性。その白衣は、僕の視線の先で二つの大きなカーブを描いていた。 |
作品番号 2 |
色即是空 |
ぱんっ 乾いた音とともに弾ける、青のバルーン。 その瞬間、空と海が灰色に変わる。 ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ・・・・・・ 赤、黄、緑・・・。 乾いた音が響く度に失われる色。 モノクローム化する世界。 最後に残ったのは純白のバルーン。 何もできぬまま見守る自分。そして・・・・・・ ぱんっ その瞬間、世界は暗転する。 |
作品番号 3 |
ボンノー |
煩悩ってあるじゃない? 好きな子が出来たり、テレビの向こうのアイドルを見たり、はたまたパソコンのゲームやったり。 そんな時にポッと思いつく想像。というか妄想なのか、多分。 そんな想像が、まさかあんな事件になるだなんて。その時はまだ思っても見なかった・・・。 |
作品番号 4 |
情愛の詩 |
遙かな世界が、どこまでも続いていた。 居心地の良さが空気のように感じられる世界。 衣里は澄み切った空と地平線から閑かに昇ってくる朝陽に目を向けた。 ルビーを想わせる程の鮮血の紅。 ふと横を仰ぎ見る。そこには衣里が愛する人がいた。 健一も衣里同様に地平線の彼方に目を向けている。 衣里は健一の左手をそっと握りしめた。 健一の温かさが指先から全身へと入ってくる。 「どうした?」健一が優しく微笑みかけてきた。 |
作品番号 5 |
はいてない。 |
その女性はパンツをはいてなかった。 交差点の角から飛び出し、ぶつかって転んでしまったその女性。 僕が「大丈夫ですか?」と女性の方を向いた時、偶然見えたスカートの中。 …何もはいてなかった。 だが驚いたのはパンツではなく、スカートの中から見える皮膚。 肌色ではなく、金色だったのだ。 ・・・女性はスカートを気にする様子も無く、僕に質問した。 「ある人を探してます。知りませんか?」 |
作品番号 6 |
友達のままで |
いつもと同じように、カノジョが隣にいた。 いつもと同じように、たわいもない話をしていた。 友達のままで。 人通りの多い、夕方4時の街の公園。 「友達の関係、壊そっか?」 止まった会話の後に、カノジョがささやく。 ためらいながらも、「うん。」と答えた僕。 カノジョは一瞬微笑んで、僕のメガネを外した。 唇が、奪われた。 「キモチイイこと、しよっか?」 当然のように、カノジョは繰り返した。 僕は、ただうなずくだけだった。 |
作品番号 7 |
走れエロス |
エロスは激昂した。必ず、かの酒池肉林の王を除かなければならぬと決意した。 エロスには性がわからぬ。エロスは、村の牧人である。尺八を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども萌えに対しては、人一倍に敏感であった。 きょう未明エロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此の○○クスの市にやって来た。 エロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。うらやましい。 |
作品番号 8 |
精神科医 盛乱丸とドロボーねこ みさき |
私の名は盛乱丸。精神科医を生業としている。この仕事柄様々な悩みを聞く事は多く、時には想像を絶する秘密をもった方までいらしてあまり外に出ない私でも世の中が広いということを実感できてしまう。 今日も診療時間を終え帰ろうとした時ひとりの女の子が飛び込んできた。疲れていたので明日来なさいと言おうとしたがその娘があまりにも私好みの顔立ちだったのでついつい診ることにした。今思えばこれが全ての過ちだった。 |
作品番号 9 |
現代って、いろいろたいへんなことが多いよね。byみつお |
「ふふ…苦節10年…やっとできたにょへよ…」 いかにも博士的な男性は、椅子に座りこんだ。 「これで、私にも光が!にょへへへ!名付けて『イメージ具現機!』これは、使用者の想像を具現化して、生み出す装置にょへ!これで…ぐへへへへ。」 博士。ヨダレが出てます。拭け。 「助手のくせに五月蠅いにょへ!今からこの装置使うから制御するにょへ!」 はいはいにょっへ博士。 ぽちっと スイッチを押すと、博士は静かに眼を閉じた。 |
作品番号 10 |
花見酒 |
会社の入口で、聞き慣れた美しい声が俺の背中から聞こえた。 「おっはよ、高橋君」 そう言って、真理恵はポンと俺の肩を軽く叩いた。 「ああ、おはよ」 社会人になってから、あっという間に1年が過ぎた。 真理恵のしぐさを目で追い続けて、もう1年が経ったのか。 今でも、俺は昨日のことのように思い出す。真理恵の虜になってしまったあの日のことを… |
作品番号 11 |
春の戯れ |
この春大学2年になる俺はいつものように講義を済ませ自宅へ帰った。 するとそこには見慣れた顔があった。近くの短大に通う幼馴染のチカだ。 しかしどうしてこいつがエプロン1枚で俺の家にいる事が想像出来ようか? 俺が戸惑っているうちに、チカは 「お帰りなさい。お風呂にする?ご飯にする?それとも… うふふ」 あのーチカさん?何故あなたがここにいるのかお答えいただきたい。 「私はあなたと、ラブラブ、したくて来ちゃった。」 |
作品番号 12 |
雨水、霞始靆(かすみ はじめて たなびく) |
僕は、横で寝ている女の子を一瞥する。彼女の名はかすみ。ここはベットの上。つまり、かすみとは深い仲なのだ。手前味噌だが、彼女はとてもかわいく、街で彼女を見た誰しもが振り向く。では何故、もともとあまり冴えなかった僕がこんな美女とつきあえるようになったかを、これから話そうと思う。 |
「こうしてみますと、真面目なものから
パロディから幅広いですね」
「そういえば12作品しかないぞ。
14人いなかったっけ?」
「あ、挑戦者14人のうち2人はね
さっき脱水症状がおきてたおれちゃった
てへ」
「こんなくそ暑いなかで小説
かかせるんじゃないの(^^;
では、敗者1名を決定する
投票を致しましょう。」
「1位には+2ポイント、2位には+1ポイント
入りますからね。
今回は17人の方に投票いただきました(^^
でも、ただ発表するだけじゃつまらないので・・・
うしろをみてください!」